今日は「家庭内別居」のルールについて考えてみます。

家庭内別居という言葉、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

「家庭内別居」というのは、夫婦としては破綻しているけれど、さまざまな事情で別居や離婚はせず、同居を継続している夫婦の状況です。

お互いのことをしなかったり、会話もなく、気持ちも離れていて、ただの同居人のような関係にある夫婦のケースが多くみられます。

夫婦仲が上手くいっていなくて、離婚したくても、金銭的なことや世間体、子どものことを考えてなどの事情で、離婚できないという夫婦も多く、このような場合、「家庭内別居」という選択をする夫婦もあるのです。

既に、家庭内別居の状態にある夫婦は、大きな喧嘩やどちらかの浮気などが原因で、徐々に夫婦仲が険悪になって、仲直りの機会がなく、気が付いたら「家庭内別居」の状態になっていたというケースが多いようです。

中には、”夫婦に離婚話が持ち上がったが、何らかの事情で離婚も別居もできないので、夫婦の話し合いで「家庭内別居」を選んだ”という夫婦もあります。

「家庭内別居を考えているけれど、きちんとルールを決めてから始めた方がいいの?」という質問を受けたことがあります。

家庭内別居をする際に、どのようなルールを決めておけばいいのでしょう。

ここでは、家庭内別居をする際の13のルールを提案していきます。

ルール1:お互いのことを干渉しない

一緒に住んでいるので、相手の帰りが遅かったり、帰って来なかったりすると気になることもあります。最低限、旅行や出張などで泊まりの予定があるときなどは、前もってカレンダーに書くなどの決まりを作っておけば、余計な心配もなくなり、”お互いにどこで何をしようが干渉しない”というルールができます。

ルール2:会話はなくても、挨拶は気持ちよく

家庭内別居中は、夫婦の会話がないケースがほとんどです。”必要最低限の会話は、メールやLINEなどで済ませる”と決めていることが多いようでが、特に子どもがいる場合などは、「おはよう」や「ありがとう」「ごめんなさい」などの挨拶を、気持ちよくすることだけは決めておくといいと思います。

ルール3:ひとりになれる空間を持つ

同じ家に住んでいるのですから、顔を合わせることは避けられないでしょう。できるだけストレスを少なくするためにも、住まいの状況が許すなら、お互いがひとりになれる空間を作り、寝室も分けられるといいですね。

ルール4:共有の場所の使い方を決める

リビング、玄関、ベランダなどの家族の共有の場所についても、決まりを作っておくといいでしょう。特に、リビングにはテレビやソファーがあり、団らんの場所にもなっています。どちらかがずっとリビングに居ると、もう一人はリビングを使うことができないという状況も考えられます。細かいことですが、前もって決まりを作ることで、少しでも快適な家庭内別居生活が送れますね。

ルール5:食事について決める

夫婦仲が悪くなかったときは、一緒に食事していたこともあったのではないでしょうか。特に共働きの夫婦の場合、家庭内別居することで、妻は夫の食事の支度をしなくて済むので、ストレスがだいぶ軽減されます。しかし、専業主婦で家庭内別居後も働いていない妻の場合には、”食事の支度は夫の分もする”と決めるケースもあります。食事をどうするかも、夫婦で決めるといいと思います。

ルール6:冷蔵庫を別にすることでストレスが減る

小さいことですが、冷蔵庫の中の食品のことで、夫婦喧嘩になることもあります。料理も食事も別々にするということなら、冷蔵庫を別にすることで、お互いのストレスが大きく減ることが考えられます。冷蔵庫を2つ置くのが難しい場合は、冷蔵庫の中をカゴなどで分けて、それぞれの食品を管理する方法もおすすめです。

ルール7:掃除やゴミ出しはどうするのか

家の中の掃除はどちらがやるのか、又は、”どちらがどこの掃除をする”というように、”担当の場所を決める”という考え方もあります。ゴミ出しについても、”全てどちらかが担当する””ゴミの種類で分ける””ゴミを集める方と出す方を決める””それぞれ自分のゴミだけを自分で出す”など、具体的に決めておくと、揉め事を避けることができますね。

ルール8:洗濯についての考え方

家庭内別居にある場合、”自分の物は自分で洗濯する”ということになっているケースが多いように思います。妻が働いていない場合などは、家に居るので”洗濯は夫の分までする”ということもあります。洗濯についても、どうするのかを夫婦で決めておけば、後で嫌な思いをしなくて済みますね。

ルール9:入浴時間が重ならないように

たいていの家庭は、家にお風呂はひとつしかないと思います。入浴の時間が重ならないように、”平日は妻が何時から何時、夫は何時から””休日の場合、お風呂はどうするか”など具体的に決めておけるのが理想です。

ルール10:子どもの行事や接し方

子どもがいる場合には、決めることが更に増えます。難しいことだと思いますが、”子どもの前では普段通りに会話する””食事は子どもと一緒にする””子どもの学校行事や習い事の行事などは、一緒に参加する”など、子どもに悲しい思いや寂しい思いをさせない配慮ができるといいですね。

ルール11:生活費など、お金の管理について

家庭内別居中であっても、夫婦であることには変わりないので、特に、”妻に収入がない””収入が低い”場合など、夫は妻に生活費を渡す必要があります。共働きで、妻に多くの収入があるとしても、夫婦のお金の管理については、夫婦で十分に話し合って決めましょう。

ルール12:身内の冠婚葬祭はどうするか

家庭内では別居していても、対外的には夫婦です。身内の冠婚葬祭などの場合、”二人で出席する”のか、何か理由をつけたり、事情を話したりして、”どちらかだけが出席する”のか、前もって決めることが難しければ、”その都度話して決める”などの決まりを作っておきましょう。

ルール13:お互いの実家との付き合い方

お互いの実家との付き合いが原因で夫婦喧嘩になり、家庭内別居に至ってしまったというケースもあります。”それぞれの実家のことは、それぞれ自分だけで付き合う”と決めているケースもあります。いざこざを防ぐためにも、お互いの実家との付き合い方を決めておくことも大切です。

いかがですか。

家庭内別居のルールを具体的に提案してきました。

世間体も守れて、互いに干渉しない”ルームシェア”のような「家庭内別居」ですが、同居人としての最低限のマナーを守ることが大切です。

“夫婦仲が険悪な状況だから「家庭内別居」に至った”ということだと思いますが、「家庭内別居」の経験で、ストレスや喧嘩が減り、お互いの有難さに気付くきっかけになったというように、「家庭内別居」で夫婦の関係が修復できたという例もあります。

しかし、”子どもが大きくなるまで”や”離婚後の生活費が貯まるまで”などと、離婚することを前提とした「家庭内別居」もあるのです。

たとえ、離婚準備のための「家庭内別居」にしても、同じ家に住んで生活しているのですから、きちんと話し合って「家庭内別居のルール」を決めることをおすすめします。

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