最近は、うつ病を患っている人が増え、軽い症状の人を含めると約15人に1人がうつ病を経験しているそうです。
働き盛りの男性にも、うつで悩む人が増えているのですが、放っておくと症状も重くなり、仕事や収入にも影響が及び、自殺未遂に至ることもあるのです。
妻にとっても、うつ病の夫が同じ空間に居ることで、心身の負担になってしまいます。
もし、あなたの夫がうつ病になってしまったら、妻としてはどう接していいのかとても悩みますよね。
ここでは、夫のうつにできるだけ早く気づき、うつ病の夫と上手く接していくために、知っておいてほしいことをお伝えします。
夫のうつ病のサインとして主なものは次のようなものです。
- 仕事に集中できずミスが増える、仕事が進まない
- 食欲がない、おいしくない、食欲がありすぎる
- 寝不足、眠れない、起き上がれない
- ため息をつく、口数が減る、憂うつ、悲しい
- 疲れやすい、体がだるい、頭痛・腹痛など
- 身だしなみを気にしなくなる
- 無表情、ぼんやりしている、落ち込む
- 絶望感、孤独感、不安、自信がない
- 不機嫌、不安定な様子、判断力が鈍る
- お酒を飲む量が多くなる
- 性欲が落ちる
- 好きなことも楽しめない
うつ病は早期発見、早期治療がとても大切です。
夫にこのような様子が見られた場合は、早めに専門家や精神科などの専門医に相談することをお勧めします。
では、実際に夫がうつ病になった場合、どのように接するのがいいのでしょうか。
次に、接し方や接する際の注意点を挙げていきます。
- 特別扱いしない。できない事はサポートし、できる事は任せる。
- 「頑張って」と励ましすぎない。本人は思っている以上に苦しみ辛い思いをしている。
- 無理に話しかけない。話は否定せず受容・共感して聞く。
- 何気ない会話をする。テレビや天気・気候・食べ物などの話をしたり、「調子はどう?」「疲れが溜まってない?」などと話しかける。
- 食欲が落ちることが多いので、食べられるものを食べたいだけ食べてもらう。
- 無理に気分転換(散歩など)をすすめても、そんなこともできない自分が辛くなる。
- 退職や離婚などの重大な決断を避ける。
- 妻や家族がうつ病の本を読んだり専門家に聞いたりして、正しい知識を身に付ける。
- 本人が「消えてなくなりたい」と衝動的に自殺を考えることがあるので、刃物や紐などは目の見えないところに置く。ベランダに出られない工夫や、薬の管理を徹底する。死にたくなる辛い気持ちを理解し、「あなたが死んだら悲しい」ということを伝える。
- 無理をしない、休息・休養をとるようにする。
- 周りの人の理解と協力が必要。専門家や仲間・友人などの援助を求める。仕事を続けている場合は、職場の同僚や上司・産業医や心理士などに相談することで、職場環境の調整も望める。
- みんなで治療をサポートする。治療には標準的薬物療法または運動療法などがあり、ある程度の時間も必要。症状は一進一退があるので、思うように回復しなくても心配しないことや、カウンセリングも有効であるということなども伝える。
このように、多くの接し方や注意点があります。
うつ病は一度治ったと思っても、再発する可能性があります。
再発を防ぐためにも、きちんと治療することが大切です。
また、無理に仕事に行かず、休職することも考えましょう。
休職中の健康保険加入者には、条件を満たせば、賃金の一定割合が受け取れる「傷病手当金」の制度があります。最長1年半まで受けられるので、職場の労務担当者や社会保険庁に問い合わせてください。
もし休職期間が長くなってしまっても、条件を満たせば「自立支援医療費制度」もあり、「精神障害者保健福祉手帳」が公布されることもあります。
収入が減ったり、なくなったりして心配だとは思いますが、うつ病に焦りは禁物です。
子どもが居る場合、子どももパパの様子が心配になるものです。「パパが疲れやすく元気がないのは、病気が原因であり、あなたのせいではない」と言うことをきちんと伝えてあげましょう。
また、並行してうつ病の原因となっている仕事のストレスや家庭のストレスなど、思いあたるものについて見直していくことも必要になると思います。
一家の主である夫が病気になると言う事は妻にとって辛いことですが、必ず回復すると信じて、夫を見守り治療を続けていけるといいですね。