夫婦が家庭内別居の状態にあるということで、子供に与える影響は、どのようなものがあるのでしょうか。
家庭内別居であるということは、例えば次のような状況です。
- 同じ家に住んでいるのに、必要最低限の会話しかしない
- 「おはよう」「おかえり」「おやすみなさい」などの挨拶を交わさない
- 洗濯や掃除など、相手のための家事をしない
- 食事を一緒にとらない
- 揃って外出をしない
- お互いのことに関心がない、干渉しない
などです。
経済的な事情や親の介護や世間体、子どものことなどを考えて、離婚や別居ができず、やむなく家庭内別居を続けている夫婦も多いのです。
夫婦の会話がないので、中には、「今日の休みは出かけるのか、パパに聞いてきて」などと、子どもを通して夫婦の会話をしているケースもあるのです。
では、夫婦の家庭内別居が子供にどのような影響を及ぼすのかを考えてみましょう。
家庭内別居をしていることで、「子供に夫婦喧嘩やパパとママがいがみ合う姿を見せなくて済む」という利点があります。
しかし、家庭内別居は子供に好ましくない影響を及ぼすことの方が多いのです。
家庭内別居が子供に与える悪影響としては、次のようなことが考えられます。
- パパとママに気を遣い、顔色を窺って生活する子供になってしまう。
- パパとママに素直に甘えられない。
- 夫婦に会話も笑顔もなく、パパとママが一緒に過ごさないということで不安に思い、子供がストレスを感じてしまう。
- 「自分が悪い子だからパパとママが仲良くできないんだ」と思い込み、いい子でいなければと自分の感情を出すことが苦手な子供になる。友だちともコミュニケーションを取ることが難しくなることも考えらる。
- ママがパパの文句を言うことで、ママの味方にならなきゃと考え気遣い、パパと口をきかなくなったりパパを避けたりするケースもある。
- 引きこもりになってしまう可能性もある。
いかがですか?
夫婦が「子どものために」と考えて別居や離婚を避けて、「家庭内別居状態でも家族が一緒に過ごす」という選択をしていることで、子どもには好ましくない影響が多くあることがわかりますね。
また、夫婦の事情で、子供に悲しい辛い思いをさせないためには、次のような配慮も必要です。
- 普段通りに会話を心がける、最低限の挨拶を明るくする。
- 食事は家族揃ってする
- 学校行事や習い事の行事などは、一緒に参加する
- お互いに子供の前で相手の悪口は言わない
- 子供との会話を大切にする
- おじいちゃんおばあちゃんとの時間もできるように配慮する
たとえ幼くても、子供は敏感に不穏な空気を感じ取って、親の顔色を見たり、機嫌を窺ったりしています。
夫婦が嫌な顔をしてイライラしたり無視したりしていることで、子どもだけでなく夫婦自身もストレスになっているのではないでしょうか。
夫婦で「子供に悲しい思いや寂しい思いをさせない、余計な気を遣わせない」という配慮をすることが、最低限の親の務めだと思います。
子供の前だけでも、相手に関心を持ち、できるだけ価値観を合わせ、会話の機会を多く持つ努力ができるといいのですが、どうしても難しいということでしたら、別居や離婚も視野に入れて、話し合いの機会を持つこともおすすめします。
夫婦喧嘩や、夫婦が無視し合う姿、仲の悪い様子を子供に見せ続けるより、安定した気持ちで笑顔で子供に接することができるのなら、別居や離婚の選択の方が子供のためにいい選択だということも考えられます。
子供のために”同じ家で過ごしてさえいればいい”ということはありません。
子供がある程度の年齢になっていれば、子供の考えや意見も聞き、夫婦で話し合い、家庭内別居を続けていくのかどうかを決めることもおすすめします。
夫婦の関係が悪化した原因を探り、話し合い、解決していくことで、家庭内別居を解決できるかもしれません。
夫婦2人だけで話し合いができないようでしたら、カウンセラーなど第三者に間に入ってもらうことも有効です。
子供の幸せのためにも、家庭内別居を解消できるといいですね。