「夫の扶養からぬけだしたい」という漫画があります。
ママのための求人サイトで連載されていた漫画で、漫画家のゆむいさんが書いています。
夫の心ない言葉、非協力的な態度に悩み、「僕と同等に稼いでみなよ」と夫に言われる。
「同等に収入がないと、家事や育児に協力してほしいと言うこともできないの?」と、「離婚」の2文字が頭に浮かび続ける。
専業主婦で育児中の主人公ももこさんと、ちょっとモラハラ気味の夫との日常を描いています。
ももこさんのような”専業主婦”は、夫の扶養家族という立場です。
専業主婦のママ友の中には、結婚しても出産してもずっと仕事を辞めずに続けている人もいますし、夫の扶養の範囲内でのパートに出ている人もいます。
自分は専業主婦で家に居るので、働いているママ友と話す機会があると、何だか活き活きしているように感じたりすることもあるでしょう。
そして、何かしら心身ともに充実できていないように感じる自分の状況を何とかしたくて、「夫の扶養から抜け出したい」という気持ちを抱いたりするのだと思います。
〈夫の扶養から抜け出したいと考える理由〉
専業主婦や、夫の扶養の範囲内で収まるように加減して働いている主婦が、「夫の扶養から抜け出したい」と考えるのは、どのような理由があるからなのでしょうか。
そこで、専業主婦やパート主婦が、「夫の扶養から抜け出したい」と思う具体的な理由を5つ考えてみました。
①自分で自由に使えるお金が欲しい
専業主婦は、夫だけの収入で生活しているため、家計に余裕がなく、自分のために自由に使えるお金が欲しいと考えている場合があります。
また、金銭的に十分余裕があっても、夫に遠慮せずに使える自分のお金が欲しいと思っているケースもあるのです。妻が働くことで家庭の収入が増えて、家計に余裕もできますね。
②子どもの教育資金が心配
夫の稼ぎだけでは、将来子どもにかかる教育資金に不安があり、何とか自分も働いて、子どもには選択肢を増やして、可能性を広げてあげたいと考えている場合もあります。
家庭の収入をもっと増やしたいと思って、夫の扶養から抜け出すことを考えているのですね。
③社会と繋がっていないことの不安
専業主婦は、家と買い物と子どものママ友との付き合いが主になっていて、社会との繋がりがほとんどないことで、「このままでいいのか」と不安になっているケースもあります。
私も専業主婦の時代がありましたので、このような気持ちはよくわかります。これは夫の扶養内でのパートでも、働きに出ることで解消される場合もありますね。
④夫から精神的に自立したい
夫に扶養されているという状況から、なかなか夫に言いたいことが言えない場合があります。
夫の扶養から抜け出すことで、自身が精神的に自立できて、夫と立場が少しでも対等になればいいなと考えているのでしょう。
また、将来、夫との離婚を考えていて、金銭的に自立する準備をしているということも考えられます。
⑤将来の自身の年金を考えて
夫の扶養から外れて、自分で厚生年金を掛けるようになれば、将来受け取る自身の年金の金額が少しでも増えるので、それを目指している専業主婦もいます。
このような理由で専業主婦は「夫の扶養から抜け出したい」のではないかと私は考えますが、みなさんはどう思われますか?
〈夫の扶養から抜け出すメリットとデメリット〉
夫の扶養から抜けることで、いいことがたくさんあると思っているかもしれませんが、いいことばかりではありません。
実際に夫の扶養から抜け出すことで、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
まず、メリットから考えてみましょう。
- 家計に金銭的な余裕ができることで、将来への家計の不安が軽減される
- 働くにしても扶養控除を気にしなくてよければ、頑張ってたくさん稼ぐこともできる
- 夫に気兼ねなく使える自分の自由になるお金ができる
- 働きに出ることで社会と繋がり、自立でき、自分に自信が持てるようになる
- 将来的に離婚を考えている場合、経済的な自立の準備ができる
次に、デメリットとしてはどのようなことがあるのか考えてみましょう。
- 働きに出ることで、家事に費やせる時間が減るので、家事がおろそかになったり手抜きになり、夫の不満を招くことが考えられる
- 子どもと向き合う時間が減ることで、子どもにも影響が及ぶことも否めない
- 家事や子育てを蔑ろにしているのではないかと、姑や舅に責められるかもしれない
- 稼いできてくれる夫に対して感謝の気持ちが薄れてしまう恐れがある
このようにメリットもデメリットもありますから、子どもの年齢や夫の理解なども考慮して、夫の扶養から外れるくらい働くのかどうかを検討できるといいですね。
〈さいごに〉
「夫の扶養から外れる」というときの「扶養」とは、扶養控除のことなのですね。
特にパートで働くような場合、妻が稼ぐ金額や、さまざまな条件によって、夫の所得税や住民税の控除(税制上の扶養控除)や健康保険や年金に関する控除(社会保険上の扶養控除)の額などが変わってきます。
夫の扶養控除が受けられる範囲内で働くのか、扶養控除から外れるほど稼ぐか、悩んでいる方もいらっしゃるかもしれませんね。
「うちの場合はどうかな」「”働き損”にならないように働きたいな」と考えているのでしたら、ネットで調べてみたり、社会保険労務士などの専門家に相談してみることもおすすめします。
夫の扶養から抜け出すことがいいのか、今のままでいた方がいいのか、また、目標の時期を決めて、それまでに夫の扶養から外れるように計画して努力していくのか、あなた自身の気持ちを確かめながら決めて進んでいってくださいね。