夫のお墓問題について、考えたことがありますか?
お若いご夫婦は、まだご両親もお元気で、お墓のことなんか考えたこともないかもしれませんね。
しかし、夫婦も歳を重ねていくと、親の介護やお墓の問題が起こってきます。
そして、自分たちのお墓の問題についても考え始めたりするのです。
今日は、夫婦のお墓問題の中でも、夫のお墓問題に関連することついて考えてみたいと思います。
《夫と同じお墓に入りたくない妻》
夫とは同じお墓に入りたくないと考えている妻が多くいらっしゃいます。
この場合、解決策はいくつも考えられます。
例えば、下記のような方法があります。
1.自分の実家のお墓に入る
2.新しく自分の個人墓を建てる
3.分骨する
4.両家墓に入る
5.「墓友」と一緒のお墓に入る
6.合祀墓
7.納骨堂
8.樹木葬
9.散骨
10.手元供養
詳しくは、こちらの過去の記事を参考にしてくださいね。
《死後離婚》
夫が亡くなった後に、妻が”夫と同じお墓に入りたくない””夫の親族と縁を切りたい”というような理由で「死後離婚」を選ぶ女性も増えています。
死後離婚といっても、夫とは死別している訳ですから正式な離婚ではなく、「姻族関係終了届」を役所に出すことで「親族に報告がいくことなく夫の親族との姻族関係を終わらせることができる」というものです。
この手続きをすることで、夫の死後に夫の親族との付き合いをしなくて済みますし、自分の望むお墓に入ることを選びやすくなります。
《夫が長男の場合と次男・三男などの場合》
長男はもちろん、夫が次男・三男などの場合でも、お墓の所有者である”永代使用権者”が認めれば、本家のお墓など希望したお墓に入ることが可能です。
これは、結婚して家を出た娘も同様です。
法律的にも規制はないようです。
しかし、墓地や霊園側の管理規約によって、埋葬できる人の範囲が決まっている場合があるので確認することが必要ですね。
独立した次男・三男は、独自にお墓を建てるのが通常の考え方では多いようです。
しかし、次男・三男などが未婚の場合や、結婚していても子どもがいないような場合には次男・三男も、その妻も本家のお墓に入ることができます。
長男と次男・三男などの区別は、本家・分家というような考え方からの慣習でもあるのですが、ひとつのお墓に納骨できるスペースが限られているという事情もあるようです。
《一人ひとつのお墓》
海外では、一人にひとつのお墓を建てることが一般的です。
昔の日本でもそうだったようですが、日本では敷地が狭かったり、土地が不足するという理由もあり、先祖代々が同じ墓に入るという形になったのですね。
夫と妻で”お墓に対する考え方”が違う場合、一人ひとり希望の形のお墓にするという選択もあります。
《夫が建てた墓に妻も入る》
生きている間に夫が自分のお墓を建てるというケースもあります。
また、夫が両親のためにお墓を建てるという場合もありますね。
これらの場合は、夫はそのお墓に入ることが前提になっているのでしょう。
妻ももちろん、このお墓に入ると夫は考えていると思います。
何もこだわりがなければ、夫と同じお墓に入るのが一番いいでしょう。
《夫と同じお墓に入りたくないなら》
もし、夫と同じお墓に入りたくないと考えているなら、例えば「夫婦で宗教が違う」「夫が浮気してた、浮気している」「夫の借金でずっと悩まされた」など、夫も納得する理由がある場合、夫に「同じお墓に入りたくない」と伝えておけるといいですね。
お墓には「女性専用区画」「女性専用共同墓」「女性専用個人墓・納骨堂」などもあるようですよ。
《夫の考えを確認しておく》
夫が自分のお墓に関してどのような考えを持っているのか、日ごろから確認しておくことをおすすめします。
その際に、妻の考えも伝えておくといいですね。
例えば、「私は貴方の先祖代々のお墓に入らず、樹木葬にしてもらいたい」「私の骨は海に撒いてもらいたい」などです。
夫に反対されたり否定されたりするかもしれませんが、きちんと理由を伝えたり、子どもがいれば子どもにも希望を伝えておくことをおすすめします。
夫も妻も”エンディングノート”に希望を書くことで意向を伝える手段になりますが、法的な効力はありません。
しかし、夫や子ども、そして親族などに「エンディングノートを書いてある」ということを伝えておくことで、いざというときに残された人たちに意向を知って参考にしてもらうことが可能です。
《永代供養墓を予約しておく》
「永代供養墓」というものがあります。
夫が次男・三男などでお墓がない場合なども、生前から予約しておくことも可能です。
お墓の代金や管理費・法要の費用などすべて含んでいますので、子どもがいない夫婦や、子どもに手間や迷惑をかけたくない場合など、検討してみるのもおすすめです。
三十三回忌位までの法要をしてくれて、その後は合祀されることが多いようです。
子どもや親族に予約してあることを話しておくことが大事です。
いかがですか。
夫にしてみたら親族と同じお墓に入るのは当然のことだと思います。
しかし、妻にとっては「一度も一緒に暮らしたことのない先祖や親族と同じお墓の中に納まりたくない」と考えるのも頷けますね。
ただ、子どもがいる場合、夫婦が別々のお墓だったら、遠くて不便なところにあったり、管理費や檀家料など、さまざまな負担をかけてしまうという恐れもあります。
夫婦のお墓の問題は、夫婦だけでなく子どもや親族に関わる影響もありますので、みんなと話す機会が持てるといいですね。