生活費

「夫が生活費をくれない」と悩んでいる女性に、「どうやって生活を維持しているの?」と聞いたら「結婚前の自分の貯金を取り崩して生活しているけど、そろそろ底をついてしまうんです」と話してくれました。

生活をしていくためには、当然お金が必要です。

女性の社会進出に対する考え方が変わり、結婚を機に仕事を辞める女性は今ではだいぶ少なくなってきました。

子どもができたとしても、産休を使い、その後育児休暇を取るなどして、結婚前から続けていた仕事を継続している女性も多くなりました。

それでも、「子どもが小さいうちは子どもにできるだけのことをしてあげたい」という気持ちで、仕事を辞めて家庭に入る女性もたくさんいらっしゃいます。

専業主婦の場合、妻には自身の収入がありません。

この状況で「夫が生活費を出してくれない」ということになると、妻と子どもはどのように生活していけばいいのでしょう。

カウンセリングなどで、悩んでいる女性のお話を伺っていると、夫が全く生活費を入れてくれないケースと、ある程度の生活費を入れてくれているけど足りないというケースがあります。

共働きだったり妻にパートなどの収入がある場合で、「夫が生活費を入れてくれない」とお悩みのケースでは、夫から「お前も金を持ってるじゃん」「何で俺が出さなきゃいけないの?」などと言われることも多いようです。

妻が専業主婦なのに、夫が全く生活費を入れてくれない場合は、急いで何とかしなければなりませんね。

生活費をくれない夫の「生活費を渡したくない理由」って、どんなことなのか考えてみましょう。

  • 独身時代と同様に、自分で稼いだお金は自分で自由に使いたいし、妻に自由に使われたくない
  • 妻に浪費癖があり、お金があるだけ無駄遣いしてしまうので、必要最低限の生活費しか渡さないようにしている
  • 夫自身が自分の趣味、ギャンブルやお酒、または風俗や浮気・不倫にたくさんのお金を使っているので、生活費を渡せない
  • 妻には言えない秘密の借金があり、内緒で毎月返済をしていて余裕がない
  • 実は残業をカットされていたり、会社をリストラされているが、プライドがあり妻に打ち明けられずにいる

考えられる理由としてはこんなところでしょうか。

このようなお悩みがある家庭は、夫が家のお金を全て管理しているケースがほとんどです。

特に、夫がサラリーマンではなく自営業の場合には、妻には収入の額もわからないので「お金がないから、これしか渡せない」なんて言われてしまうと、何とも太刀打ちできなくなってしまうのですね。

夫は、本当にお金がなくて生活費が渡せないのか、根っからのケチで妻に自分の稼いだお金を使われたくないだけなのか、極端な倹約家で貯蓄に力を入れているのか、別の女性に使っているのか、本当の理由を知りたいところですね。

なかには、妻に自由になるお金を渡さないことで、妻の行動を束縛するという考えの夫もいます。

妻から金銭的な自由を奪う「経済的DV」という言葉があるのですが、夫はお金の管理に異常に執着し、妻にはわずかの生活費しか渡さず、家計を自身で管理し、収入も貯蓄額なども全く明かさないような状況のことをいいます。

専業主婦の妻が、仕方なく働こうとすると反対し、働くことも阻止したりします。

夫自身は、飲み会や高級な食事、ゴルフやさまざまな付き合い事が多く、ブランド品を身に着け、風俗や浮気など自由に優雅に散財していて、ほとんど家にいないというケースもあるのです。

また、妻が病弱だったり精神的な病気などの持病があって働けない状況なのに、夫からこのような「経済的DV」の状況に置かれて苦しんでいる場合もあります。

まるで妻は薄給の”住み込み家政婦”扱いです。

このような夫に、勇気を出して「生活費が足りないので出してください」とお願いしても、「足りないならお前が働けばいい」「家計管理がへたくそ過ぎる」「これ以上出せない、工夫して何とかしろ」などと言われてしまい撃沈してしまいます。

妻に頼れる実家や親族がいないような場合でも、それを知った上でこんな意地悪なことを言うのです。

妻が働けるのなら一日も早く仕事を見つけて、少しでも収入を得ることができるといいのですが、子どもが幼い、妻には介護する人がいるなど、働けない困った状況の場合もあります。
「生活費をくれない夫」に対処する方法があるのでしょうか。

考えられる対処法をいくつか挙げてみましょう。

①必要なお金を明確にして示す

「妻は毎日家にいるのだから、お金は要らないだろう」と思われているのかもしれません。

交際費や医療費、子どもにかかる費用、食費・光熱費など、夫が考えている以外のお金も必要だということをわかってもらいましょう。

ただ「生活費が足りない」と訴えるだけではわかりにくいので、実際に家計簿をつけて「どのくらい足りないのか」を明らかにして、具体的な数字で見せることが大切です。

②夫の親族に相談してみる

夫に直接頼んでも生活費を入れてくれないようなら、夫の両親や兄弟姉妹などの中で話しやすくて親身になってくれそうな人に相談してみるという方法もあります。

身内から言われることで、考えを改めてくれることも期待できます。しかし、プライドが高い夫の場合「プライドを傷つけられた」と思い、意固地になり、更に妻に冷たく当たるということも考えられます。

③専門家に相談する

妻がどれだけ「生活費をください」と頼んでも、夫の考えは変わらないかもしれません。

例えば、弁護士に相談して弁護士から夫に話してもらうことで、夫は耳を貸す可能性があります。

妻のことは自分よりかなり下にみているので妻の言うことには耳を貸さないのですが、夫が社会的に認める立場の人から言われることで、聞く耳を持つことが考えられるからです。

④”婚姻費用分担調停”を申し立てる

夫と話し合いもできないまま先に進まない場合、家庭裁判所に「婚姻費用分担調停」を申し立てるという方法があります。調停を申し込む際に、印紙代1200円と切手代数百円がかかります。

また、当面の生活費に困っているときは、併せて「審判前の保全処分」を申し立てることで、夫に「婚姻費用分担金の支払い命令」を出すことが可能です。

しかし、自分勝手な夫の場合、そう簡単に従わないことが予想できますので、まず、初回相談無料の弁護士や、行政の無料弁護士相談などで、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

⑤離婚を視野に入れて準備する

いろいろな方法を試してみても、夫の態度や考え方が全く変わらない場合、離婚も視野に入れて準備を始めましょう。

本来、結婚したら夫婦には「相互扶助義務」や「生活保持義務」が生じます。

夫婦は「お互いに助け合い、同等の経済状態を維持しなければならない」と民法で決められているのです。

家庭裁判所に離婚調停を申し立てて、払われていない婚姻費用や、財産分与、養育費(子どもがいる場合)などの請求をして「離婚を進めていく」という選択肢もあります。

いかがですか。

婚姻費用とは、衣食住の費用のほかにも、出産費用や医療費、子どもの養育費・教育費、相当の交際費など、夫婦が生活していくために必要な費用のことです。

妻に渡す生活費(婚姻費用)を渋るような夫は、自分のことしか考えていない自分勝手な人なのでしょう。

生活費を渡していない状況でも「俺が働いてるからメシが食えてるんだろう」などと妻に言うような夫がいるという話も聞きます。

夫の考え方や性格を「変わってほしい」と願うことはできますが、実際に変えることはできません。

「夫が生活費をくれない」という状況を打破するために、自分で働いて稼ぐのか、調停で闘うのか、諦めて離婚を考えるのか、できるだけ早く何かしらの行動を起こし、少しでも前進することをおすすめします。

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