同じ内容を動画でご覧になりたい方はこちらからご視聴ください。
離婚する際に子どもを妻が引き取って育てる場合、離婚前よりも離婚後の方が経済力が低くなることは否めませんね。
働きながら子どもをひとりで育てるということは、想像以上に厳しいのではないでしょうか。
そんな時に子どもの養育費が元夫から支払われるのと支払われないのでは、経済的にも精神的にもずいぶん違いますね。
離婚の際に決めた養育費を、きちんと払ってもらっているひとり親家庭の割合は2割ほどだそうです。
養育費が払われていない残りの8割は、離婚の際に養育費の取り決めをしていない場合や、養育費の取り決めをしたのに払われていないというケースです。別れた夫の経済的な理由もあるかもしれませんが、養育費は子どもを育てるための費用ですので、離婚の際には、きちんと払ってもらえるように手続きしましょう。
離婚の際に調停離婚をする場合は、調停で決められた養育費が調停調書に記されているので、もし払われなかった場合にも、裁判所が履行勧告(夫に対して養育費を払うように督促してくれる)し、これに応じなければ夫の財産を差し押さえることもできます。
2人の間で話し合って離婚の条件を決めた協議離婚の場合は、決めた内容を強制執行の効力がある公正証書にしてあれば調停調書と同じような強制執行の効力があります。
離婚の際の養育費のことなどの取り決めを公正証書にしていない場合で、のちに養育費が払われないときにはあなた自身で解決することになります。離婚の際には、養育費についての取り決めを必ず公正証書か調停調書に残しましょう。
養育費は、月々子どもの口座に振り込んでもらう方法が多いようですが、離婚の際にまとめて一時金で受け取るという方法もあります。夫の性格や資産や財力によって将来の養育費が滞る可能性がある場合は、払われる額は多少減っても養育費を一時金で受け取る方法も有効です。
離婚の際の養育費を決める際に、養育費の金額をいくらにするか悩むのではないでしょうか。
調停などで実際に養育費の金額を決める際に、参考にしている算定表がこちらです。
養育費・婚姻費用算定表(家庭裁判所の算定基準)
https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryo/H30shihou_houkoku/index.html
また、日本弁護士連合会が提言している新しい養育費算定表がこちらです。
新養育費算定表(日本弁護士連合会)
https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/2016/opinion_161115_3_01.pdf
どちらも夫の年収(税込み収入から必要経費を控除した額で、自営と給与の2種類がある)
- 妻の年収
- 子どもの年齢
- 子どもの人数
によって算出できるようになっています。
これらの算定表に強制力はありませんが、協議離婚の際に養育費の金額決定の参考資料として使えると思います。
離婚の際の子どもの養育費は、子どもが成人するまでの間いつでも決め直すことが可能です。元夫が失業して無職になったり、大きく収入が減ったりした場合は養育費の減額が請求できます。元夫の職場での昇進や、子どもの成長に伴い多くの学費が必要になった時などは、養育費増額の請求もできます。どちらも、家庭裁判所で養育費増額(減額)請求の調停をすることで請求が可能になります。
また養育費は基本的に子どもが成人するまでなので、養育費を支払い終わる年齢の成人以降の請求の場合は、子ども自身が当事者になり、「養育費」という名目でなく子どもから父親への「扶養料の請求」という形になります。
もし元夫や妻が再婚した場合の養育費は、どうなるのでしょう。
元夫が再婚した場合でも、離婚の際の子どもの養育費は払い続ける義務があります。
もし元夫が再婚によって養育費の支払いが困難になった場合は、元夫から養育費減額請求調停をすることが可能です。
妻が別の男性と再婚することになったとき、子どもが新しい父親と養子縁組をした場合は新しい父親に扶養義務が移るので、元夫は養育費の減額を養育費減額請求調停で請求することができます。しかし元夫は従来通り子どもを養育する義務は続くので、養育費は支払うことになります。
離婚の際に子どもの養育費を決めることは大事なことですが
- 具体的に一時金で支払うのか
- 月払いなのか毎月何日にいくら払うのか(毎月26日に5万とか)払い込み方法は?(子どもの口座に振り込みとか)
- 子どもが何歳まで払うのか(子どもが働くまでとか18歳までとか)
- お互いが再婚した場合のこと
- 面会交流のこと
- 予想外の多額の出費(病気・私立学校への進学・留学など)があった場合のこと
などもできるだけ詳しく決めて、強制執行のできる調停調書や公正証書という形で残しておくことがとても大切です。
離婚の際の子どもの養育費を当てにしなくても、子どもと自分が楽しく豊かに暮らしていけるような生活が理想ですね。
リカプルでは夫婦問題・離婚問題に関するカウンセリングを行っております。カウンセリングを受けるまでの流れや内容に関するお問い合わせは下記からどうぞ。