「ギャンブル依存症」という言葉を聞いたことがあると思います。
競馬・競輪・競艇・オートレース・パチスロ・パチンコ・カジノ・賭け麻雀・ポーカー・宝くじ・株・FX・仮想通貨など、さまざまなものがギャンブルと位置付けられているんですね。
なんと、保険もギャンブルだと書いてあるところもありました。
ギャンブルの中でもパチンコは、特に経験がある人も多いのではないでしょうか。
パチンコ屋さんって、駅前の便利な場所にあったり、幹線道路わきに広い駐車場を備えてあったり、日本人の生活にすっかり馴染んでいるという感じがします。
若い頃、私も連れて行ってもらったことがあります。
私は、短い時間であっという間に終わってしまったので、幸いにしてパチンコ好きにはなりませんでした。
パチンコにはまりやすい人は、他のギャンブルや、スマホの有料ゲームやアルコールやタバコ・風俗・買い物などに依存状態になりやすいとも言われています。
<ギャンブルにつぎ込んで多額の借金を抱えることも>
パチンコにはまって、サラ金に何千万円もの借金をつくった男性の手記もネットにありました。
夫婦仲は破綻、妻子に見捨てられてもパチンコをやめられないのです。
「パチンコをしていると何もかも忘れることができる。パチンコ屋に居るとホッとできる。」などと考えてしまうんですね。
大当たりして大金を手にした時の快感が脳裏に焼きついていて、「もう一度」と思うのでしょうね。
パチンコに限らず、ギャンブル依存の人は「ギャンブルで負けたお金はギャンブルで取り戻す」と考えるようで、クレジットカード会社や消費者金融から更なる借金を重ねてしまいます。
それを知った家族や親族が、借金を肩代わりして払ってあげたり、途中で手を貸してしまうと、「借金しても何とかなる」と考えて、更に借金を繰り返してしまうケースもあるのです。
<早い段階での「底付き体験」が必要>
ギャンブル依存症の人が「もうこれ以上ギャンブルはできない」というような絶望的な状態を経験することで、本人が治療に向かうことができるといいます。
ですから、周囲の人はできるだけ早い段階で気付き、対処していくことが必要なのです。
実は、ギャンブル依存症の本人よりも周囲の人がとても苦しんでいて、本人は常に助けられているので辛さを感じていないところがこの病気の怖いところなのです。
ギャンブル依存症の人はあらゆる手を使って金銭を要求してくるので、ギャンブルに行けるお金を決して渡さないことが大切、絶対に負けてはいけません。
それは、相手を見捨てる訳ではないのです。
毅然とした態度で「お金の手助けはできないけど、回復に向けた手助けはいくらでもする」ということを伝えましょう。
家族や恋人のような近い関係だとしても、この境界線をきちんと引くことが重要です。
<ギャンブル依存症は脳の病気>
依存症はWHO (世界保健機関)でも認められた脳の病気です。
脳が繰り返し興奮状態になることで、ドーパミンの活動が過剰になり、コントロールを失ってしまい発症すると言われています。
ギャンブル依存症の人に対して「甘えているだけ」「意思が弱い」「根性がない」という人がいますが、そのような根性論の問題ではなく、そのような間違った対処法で立ち直らせようとしても事態が悪化してしまうだけです。
<本人に自覚してもらうことが第一歩>
「自分はギャンブル依存症だ」ということを自覚してもらうことが第一歩です。
無意識のうちに嘘をついてでも借金してギャンブルに行こうとするでしょう。
ギャンブルしたいという快楽の欲をコントロールできないのです。
無理に止めたとしても、不眠や幻覚、異常発汗などの症状が身体に現れることもあります。
本人がギャンブル依存症を自覚することで、一緒に回復していこうと提案し、手助けすることができます。
<3つの治療方法>
ギャンブル依存症の治療については、次の3つの方法があります。
1.病院にかかることをすすめましょう。投薬治療で治るということはありませんが、ギャンブルや借金のことを考えて眠れなくなる場合には睡眠薬が眠りを助けますし、うつ症状を伴っているようなら安定剤や抗不安剤などの投与も考えられます。心療内科や大きな病院の依存症専門の科を受診しましょう。
2.カウンセリングを受けることも有効です。カウンセリングの継続で効果が見込めますが、すぐに辞めてしまうと意味がありません。
3.ギャンブル依存症治療のための自助グループに参加しましょう。ギャンブル依存症治療を目的として、同じ症状の人たちが結成する組織で、同じ悩みを持つ家族の会もあります。定期的に継続して参加することで、徐々に回復が見込めます。
<さいごに>
夫本人が「ギャンブル依存症を克服したい」と強く思っていること、妻や親族が病気と理解して回復するための協力体制が整っていることで、回復の期待もできるのだと思います。
本人に全く改善の気持ちがなかったり、投げやりになって自暴自棄になっていた場合や、いくら言っても親などがお金を貸してしまったり、借金を返済してあげたりしてしまうような場合には、離婚を考えることも止むを得ないでしょう。
借金問題が伴う離婚の場合は、弁護士に相談することもおすすめします。