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DV(ドメスティックバイオレンス)とは、英語の「domestic violence」を略して「DV」と呼ばれます。

日本では「配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあった者から振るわれる暴力」という意味で使用されることが多いです。~内閣府男女共同参画局HPより~

DVの被害者は女性に限らず、近年では女性から男性に対してのDVも増えています。しかしやはりDV暴力の被害者は多くの場合が女性です。

DVは女性にとって重大な問題であり、女性の人権を著しく侵害するものでもあります。「配偶者暴力相談支援センター」への相談件数も10年前と比べて2倍近くになっています。

男性からの相談もありますが、圧倒的に女性からの相談が多いです。内閣府男女共同参画局の発表で、2020年度の相談件数(来所・電話・他)は総数129,491件、うち離婚済みが16,044件、離婚成立後にも配偶者だった人から暴力を受けている相談者が多いこともわかります。

DV夫には、外面はいい、支配欲が強く束縛する、ギャンブル依存傾向、優しいときもある、というような特徴があります。

被害の例も多岐にわたりますが、妻が殴られたり蹴られたり髪をつかんで引きずり回されたり、DV夫は欲求が満たされないと大声を出したり怒ったり無視したりします。仕事や外でたまったストレスを妻に八つ当たりすることもあります。

外面がいいので、家庭内で暴力が行われているなんて、夫をよく知る人でさえ信じてくれない場合もあるでしょう。しかしあなたはその都度恐怖におびえて、この暴力がいつまで続くのかと不安になっていることでしょう。

もしあなたが夫からのDVを受けている場合、実際にどのようにしたらいいのでしょうか。

被害の証拠を集める

DV被害の状況がわかるように日記に詳細を記しておくことも有効です。何よりも被害に遭った時の、傷やアザの写真を残しておきましょう。

もしケガで病院の診察を受けたなら、診断書も忘れずに書いてもらって下さい。夫が暴言を吐いたり無視したりするようなら、その様子をこっそりスマホやICレコーダーなどに録音しておけるといいですね。

見つかったら更に怒られるので、くれぐれもバレないように!これらの証拠は、離婚話になった際にDVの証拠としてあなたの力になるので、コツコツ集めておくようにしましょう。

助けを求める

DVは様子をみていても直っていくものではありません。

我慢している場合じゃないのです。あなたと夫で話し合えればいいのですが、無理をせずに身近な家族や友人、できれば第三者を間に挟んで、夫との話し合いを進めてみて下さい。それでも話が進まない場合は、公的機関を頼る方法があります。

婦人相談所、女性センター、配偶者暴力相談支援センター、福祉事務所や保健所、児童相談所、NPOなどのDV被害相談機関などに証拠を持って相談に行きましょう。

公的機関に相談の履歴を残すことにも意義があります。お金がかかりますが、弁護士に依頼するという方法もおすすめです。敷居が高いかも知れませんが、ケガをするほどの暴力や緊急性がある場合などは特に警察に行くという方法もあります。警察に相談したAさんの事例を紹介しますね。

<Aさんの事例>

Aさんは夜間に夫からの暴力を受けて身の危険を感じ、携帯電話もお金も持つ余裕もなく、パジャマに裸足のままで家を飛び出したそうです。

まっすぐ警察に向かい、緊急に保護を受け、その後民間のシェルターで数か月生活をしました。このシェルターにAさんが居ることもシェルターの場所も、夫にはわからないようになっていますし、「被害者への接近禁止命令」や「退去命令」などの保護命令の申し立ても可能で、夫からの万一の攻撃も避けることができますので安心ですね。

その間にかねてから興味のあったネイルを学び資格を取り、その後は離婚も成立し自立して仕事も始め、Aさんは今ではすっかり前向きに明るく暮らしています。あの時、とっさに家を飛び出していなかったら、今ごろどうなっていたでしょう。

自分のせいでなく、夫が悪いと覚る

DVの被害に遭っている女性は、「オマエが悪い、俺がオマエに教えてやっているんだ」と言われ続けているので、自己否定の気持ちが強くなっています。一種の洗脳状態です。あなたは決して悪くはありませんので、我慢して耐え続ける必要はないのです。

弁護士に相談して、離婚話を進める

DV夫は世間体も気にするので、離婚話に対して抵抗し続けることが多いようです。

抵抗されても離婚したい場合には、やはりできるだけ多くのDVの証拠を集めることが必要でしょう。証拠があったとしても、当人同士での冷静な話し合いでは難航することが予想されます。

お金がかかりますが弁護士に依頼することで、有利に無駄なく離婚話が進められると思います。金銭的に不安なときには、「法テラス」や弁護士の無料相談の活用も視野に入れて探すといいでしょう。

日ごろから離婚の準備をしておく

DV夫はお金も自由に使わせてもらえない場合が多いので、妻としては自身の貯蓄など難しいと思います。そんな中でも、できるだけ自分で使えるお金を準備していくこと、手に職をつけたり資格を取ったり、自分と子どもが生活していくための仕事や住居の準備もできるといいですね。

いかがですか。

DVの状況がまだそれほどひどくない場合は、本人が冷静なときに話し合い、夫に自分がしていること(暴力など)を自覚させ、自ら直そうと努力してもらうこともお願いできるかもしれません。

夫に更生プログラムを受講してもらうことも試せるかもしれません。妻の私が悪いから夫がイライラするんだ、というような「共依存」にある場合もDVから抜け出せない原因のひとつになっています。この共依存の克服や、DVがひどい場合の克服としては、夫から離れることが一番だと思います。

離婚という決断は抵抗があるかもしれませんが、DV夫からの被害に我慢は禁物です。離婚後のことも心配ですぐに離婚というわけにいかないかもしれませんが、克服する方法を試しながら、暴力や暴言を繰り返すようなら離婚も考えて、暴力におびえることなく笑顔で過ごせる未来に向かっていきましょう。

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