DVとはドメスティックバイオレンスの略で、日本では「配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあった者から振るわれる暴力」という意味で多く使用されます。~内閣府男女共同参画局HPより~
配偶者のDVが原因で離婚する際には、DVの被害を受けたことの明らかな証拠があると有利な離婚ができます。では、どのような証拠が、有効な証拠なのでしょうか。
また、その証拠を得るための方法や工夫などをお伝えしましょう。
DVが原因で離婚する時に、なぜ証拠が必要なのでしょうか?
夫婦間のDVは、力の強い方が力の弱い方を、力で一方的に支配することです。
DVには、代表的な「身体的な暴力」以外にも、暴言や態度での「精神的な暴力」、生活費を渡さないなどの「経済的な暴力」、性関係を強要するなどの「性的な暴力」もあります。
そして、これらの暴力をふるうDV夫やDV妻には、
- 外面がいい
- 他の人にはとても優しい
- いつもニコニコしている
- 束縛が激しいのでパートナーが愛されているように見える
などの特徴もあるので、対外的にはいい旦那様、いい奥さまという評価なのです。
ですので、身近な友人などにパートナーのDVや暴力などの相談を持ち掛けても、信じてもらえないケースも多いのが現実です。
パートナーのDVに耐えられなくなり、離婚を考えて誰かに相談する場合や、実際に離婚する際に、DVがあった事実をわかってもらうためには、自分がDVを受けていたという明らかな証拠があると、説得力が出ます。また、離婚の際に慰謝料を請求する場合にも、有効な証拠があると話が進みやすくなります。
DVが原因で離婚する際の、証拠の大切さがわかっていただけましたか?
ここでは、夫からDV被害を受けている専業主婦の妻が、離婚準備としてDVの証拠を集めるための方法や工夫などをお話ししていきますね。
まず、DVで離婚するための証拠を、妻が自分でどのように集めたらいいのかをお話します。
- 暴力での傷やアザの様子を撮った写真や、けがをして治療した医師の診断書を残しておく(これだけだと信憑性に欠けるので、ケガをした日の様子などを日記やメモに残すことも大事です)
- 暴力によって壊れたり傷ついた家具家財などの写真や、散乱した部屋の様子を写真に撮っておく
- 暴力や暴言の様子などを、日記やメモに記録しておく
- 夫が暴れたり、暴言を言っている様子を、録画・録音する(万一見つかってしまうと、更に酷くなるので決して無理はしないように)
- 家族や友人などに対して、夫のDVを相談するメールやLINEなどを残す
- 夫に対して、改善を求める手紙やメール、要望書などを残す
- 地域の警察や女性センターに夫のDVの相談をした記録を残す
などですが、暴力があまりに酷いときは、警察に通報することも実績になります。
これらの撮った写真や録音・録画した記録は、スマホやカメラやパソコンに残したままだと夫に見つけられて、消されてしまう恐れがあります。
撮った証拠は、できるだけ早いうちにこっそり隠すことのできる物(USBやCD、メモリーカードなど)に移して、わからないように隠し持つようにしましょう。
DV夫は、
- 自分はいつでも正しいので、自分の非を認めない
- 女性蔑視・男尊女卑の考えがある
- 気が弱い一面があり、妻に泣いてすがることもある
- 妻を束縛する
- 世間体や他人の目を気にする
などの特徴もあります。
DV夫に、暴力や暴言を理由に「離婚してほしい」と言っても、「お前がいないと生きていけない」など言って泣きついたり、逆に怒って更に暴力をふるったりするのです。
DV夫は、自分の意のままに支配できる妻を失いたくないとも思っていますし、世間体も悪いので、離婚を認めることはほとんどありません。
そんなことが続いて、離婚を諦めるようになり、いつまでも夫のDVに耐えて我慢する生活から抜け出せないでいる妻も少なくないのです。
このように、DV夫の場合、妻からの離婚に応じるという可能性は低いので、離婚を考えた場合、夫婦の話し合いで決める「協議離婚」での離婚は、かなり難しくなります。
DV夫に、怒って暴力を振るわれた時のために、いつでも逃げ出せるように、日ごろから最低限の荷物をまとめておくことをおすすめします。
集めた証拠があれば、それも忘れずに持ち出しましょう。
DV夫の暴力が酷いけど、離婚の準備もできていなかったり、金銭的に余裕がなかったり、家を出ても行くところがないような場合もありますね。
そんな女性に向けて、国や市町村、NPO法人などが運営しているシェルターがあります。
シェルターは、DV夫から被害者である妻をかくまって守ってくれるところです。
ここで夫と離婚するための離婚調停の申請をして、離婚の話を進めるというケースもあります。
離婚調停や離婚裁判に進んだ時に、DVの証拠があるとDV夫との離婚も、慰謝料請求も有利に進めることができます。
しかし、先にも述べましたが、DV夫のDVの証拠を集めることは、簡単なことではありません。
証拠を集めるために、自ら危険を冒したり、リスクをとる必要がある場合も考えられます。
警察や女性センターへの相談履歴や、日々の日記などでも離婚できるケースもあります。
DVが原因で離婚する場合の証拠は、くれぐれも無理することのないように集めてくださいね。
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