熟年離婚と聞くと、熟年者の離婚だと考えがちですが、違うんです。
熟年離婚の定義は、一般的には20年以上の結婚生活の末にする離婚のことを言います。
そもそも20年以上も夫婦として暮らしてこられたのに、何で今さら離婚なの?と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。でも、毎年確実に熟年離婚の件数は増えているんです。
私自身も、23年の結婚生活の末に熟年離婚しましたので、私が考えた熟年離婚の原因や理由と、今までの相談者さんの場合なども参考にして、「熟年離婚の原因と理由」を挙げてみたら25項目もありました。
こんなにあるのか・・・と驚きますよね。
熟年離婚の原因と理由を、ひとつづつ見てみましょう。
1、夫の定年退職
夫が定年退職して仕事に行かないので、毎日家でダラダラ過ごし、妻は一日3食の支度と後片付けなどの家事に忙しく、それが納得できない。夫は時間はたっぷりあるのに、家事を手伝おうともしない。こんな夫とは熟年離婚して、自分のためだけに生きていきたいと思っている妻が多くいます。
2、相手との価値観の違い
もともと夫婦の価値観は違うのがあたりまえですが、20年以上夫婦でいるのに、お互いに歩み寄ることなく、価値観が違ったまま。このまま一緒に暮らし続けるのは我慢できないと熟年離婚を考えます。
3、お互いの性格の不一致
性格の不一致の中には、お互いの性格の不満もありますが、性の不一致も含まれています。勝手なセックスを押し付ける夫にうんざりしている妻や、妻からセックスを拒否され続けている夫からの離婚なども多くあります。
4、相手の異性問題、不倫や浮気
若いころから夫の浮気に悩まされていた妻や、歳を重ねても浮気や不倫を続ける夫に呆れた妻が、いよいよ三行半を突きつける離婚もあります。妻が浮気を容認しているからと安心していると、突然離婚届を突き付けられるかもしれませんよ。
5、相手の精神的・肉体的な虐待(DV,モラハラ)
今は夫からだけではなく、妻からのDVやモラハラも珍しくありません。相手からの日常的な精神的・肉体的な暴力は、「自分が悪い」「自分のせいだ」と思い込んでいた人も、何かのきっかけでDVやモラハラだったことに気付き、熟年離婚を急ぐ原因になります。
6、義父母と合わない、確執があった
結婚当時や出産のきっかけで、義父母からの嫌な言葉やいじめがあり、妻がずっと忘れることなく恨みを持っていた場合など、ちょっとしたきっかけで義父母と縁を切りたくなり、夫との熟年離婚を考える原因になります。
7、義父母の介護が嫌
結婚後20年以上経っているので、義父母もそれなりに歳をとってきています。認知症になったり、骨折したり、病気になったりもします。もともと嫁姑の仲がよくても、介護にかかわるのは大変なことです。自分の実家の親の介護問題もあり、介護問題が夫婦の別居に至るか、熟年離婚する原因になるケースもあるのです。
8、夫の介護をしたくない
夫婦関係がうまくいっていれば、お互いに介護が必要になった際には、ちゃんと最後まで面倒をみようという気持ちでいることでしょう。しかし、夫婦の関係がうまくいっていない場合、お互いに「こいつの面倒見るぐらいなら、離婚した方がいいな」なんて考えることもあるようです。
9、夫と同じ墓に入りたくない
結婚した時は、きっと「この人と同じお墓に入るまで仲良くやっていこう」などと誓ったはずです。夫に多くの不満を持ち、義父母ともうまくいっていなければ、夫や義父母と同じ墓に入りたくないと思ったりします。
妻の中には、自分の実家のお墓に入りたいと思う人もいるそうです。
10、夫が家庭に非協力的
子育てが一段落ついて、妻も働きに出るようになっても、専業主婦の時と同じように家事はすべて妻がやるものだと決めて、一切家事を手伝おうともしない夫に、妻は嫌気がさしています。このままだと、妻から離婚届が突き付けられますよ。
11、夫が定年後、どこに行くにもついてくる
働いていた時には、職場の関係者との付き合いばかりだった夫が定年退職すると、家に居ても退屈で妻が出かけるというとどこでもついて行きたがります。趣味のサークルや女同士の食事会など、夫同伴では行きにくい所もあり、夫のことを鬱陶しいと考えるのです。
12、相手との会話がない
長年夫婦をしていると、相手に興味もなくなり、共通話題だった子どもも家にいないことが増えると、夫婦の会話がなくなります。それが心地よいと思っている場合はいいのですが、夫婦でいる意味がないと感じてしまうと、気持ちは熟年離婚に向いてしまいます。
13、相手の借金や浪費癖
相手に借金癖や浪費癖があり、今までお金の苦労ばかりしてきたという人は、この先もっと歳をとって年金生活になった時の不安が拭えず、借金癖も熟年離婚の原因になり得ます。
14、お互いのセカンドライフのプランが合わない
男性は、セカンドライフを田舎暮らしでのんびり過ごしたいと思う傾向が強く、女性は今の土地でコミュニティが出来上がっているので、離れたくないと思う傾向にあります。熟年離婚まではいかなくても、別居婚や週末婚でうまく調整できているケースもあります。
15、子どもが自立した
子どもがいるので離婚を我慢していた妻が、子どもの自立をきっかけに夫に離婚を訴えるケースも多くみられます。夫からすると子どもの自立は、「やっと妻と二人でのんびり暮らせる」と楽しみにしていた時期なのに・・・なんてこともあります。
16、妻の身内の死によって、遠方の故郷に帰る
妻の親が亡くなったことで、残った親の介護や、残った家の管理などで遠方の実家に帰ることになることもあります。自分も実家で最後を迎えたいという妻の思いが、熟年離婚の原因になることもあります。
17、夫婦のスキンシップがなくなった
結婚して20年以上経つと、お互いに空気のような存在になり、手を繋ぐことさえなくなります。スキンシップどころか会話もなくなってしまっている場合も多いようです。そんな理由だけで離婚に至るなんて考えられませんが、ひとつ嫌になると相手の何もかもが嫌になるのですね。
18、他に好きな人ができた
最近のスマホや携帯電話の普及で、SNSやメールを使えば浮気も不倫もしやすい時代になりました。以前は専業主婦の不倫はハードルが高かったのですが、今や年齢関係なく誰でも浮気や不倫ができる時代になりました。妻の浮気は夫にバレにくいので、不倫が本気になり、嫌な夫とは別れるという決断が簡単になります。
19、妻が外で働き始め、社会復帰した
専業主婦の妻がパートなどで働き始め、社会復帰することで、自分の自由になる収入もでき、我慢しなくていいという考えになることで、熟年離婚の原因になります。
20、夫は、妻と夫婦でいる意味がないと思っている
妻にDVやモラハラのような仕打ちを受けていた夫が、何も我慢することないと離婚を決意することでいろいろ考えます。特に浮気しているわけでなくても、妻とは別れたいと思っている夫も多くいるのです。
21、妻が居なくても、夫は何も困らない
妻が居なくても、家事代行もあるし、コンビニではそこそこおいしいものが手に入ります。夫はお金には困らないので、妻と別れてもほとんど不便がなく、夫も熟年離婚に踏み切りやすいです。
22、夫が、妻に虐げられていてお金も自由にならない
妻に邪険にされたり、何をしても感謝もしてくれない。妻は自分では自由に贅沢してるのに、夫はお金も時間も自由にならない。もう我慢できない!と、妻に熟年離婚を申し出るという行動に出ます。
23、年金分割制度が妻の後押しをする
専業主婦で歳を重ねると、離婚しても就職も難しく、年金もわずかな金額だけなので、離婚できずに我慢していた妻が多くいました。2007年の離婚に関る年金分割制度が始まって、熟年離婚の後押しになっています。
24、夫の退職金が出るのを心待ちにしていた
専業主婦の場合、熟年離婚してもまとまったお金がないので家を出られないと、夫の定年退職を待って、退職金を半分もらって離婚するという計画をこっそり立てている女性もいます。頑張って働いてきて「さあこれから妻と二人で旅行など楽しむぞ!」と思っている矢先に妻から熟年離婚を告げられるケースです。
25、離婚に対する世間の認知度が上がった
ひと昔前から比べると、芸能人や有名人の離婚の報道も増え、世間の離婚に対する考え方も変わってきました。「我慢して病気になるよりは離婚してスッキリした方がいいんじゃない」なんて考え方の人も多くなり、熟年離婚が増えている原因にもなっています。
いかがですか。
熟年離婚を考えていなくても、これらの原因を知ることで、熟年離婚を未然に防げるのではないでしょうか。
リカプルでは夫婦問題・離婚問題に関するカウンセリングを行っております。カウンセリングを受けるまでの流れや内容に関するお問い合わせは下記からどうぞ。