高齢で離婚を考えるケースが増えています。

70歳を超えたシニア夫婦の”高齢離婚”が増えているのです。

さまざまな要因で男性も女性も長生きできるようになったことも一因なのでしょう。

2018年(平成30年)の厚生労働省「簡易生命表」で、平均余命(その年齢の人がその後何年生きられるかという期待値)を見てみると、現在70歳の男性の場合あと15.84年、80歳の男性でもあと9.06年、現在70歳の女性の場合あと20.10年、80歳の女性でもあと11.91年生きることになります。

今まで夫との離婚を考えながらも我慢してきた70歳の女性も、「まだ20年近く生きられるのに、このままずっと我慢して暮らしたくない」と離婚を決意します。

ひと昔前は、今ほど長生きできなかったので「あと少しの我慢」と思って我慢したんですね。

多くの高齢者の場合、65歳から年金生活に入っていますし、離婚することは高齢である夫婦のお互いの生活に大きな影響を及ぼします。

しかし2008年4月から、離婚時に年金も財産分与の一つとして支払われる年金分割制度が実施になったことで、高齢になっていても年金についての不安が減って、離婚に踏み切ることが安易になりました。

そこで今日は高齢で離婚する際の年金について考えてみましょう。離婚時の年金分割制度について簡単に説明します。

年金分割には、「合意分割」と「3号分割」があります。

そもそも年金分割制度というのは、特に熟年離婚(一般的には年齢に関係なく、およそ20年以上の結婚生活の末の離婚のこと)の場合の、夫婦間での年金の公平を図るために導入されました。サラリーマンや公務員の妻で、専業主婦の場合や夫の扶養の範囲内でパート勤務していた妻は、年金の「3号被保険者」と言います。

以前は3号被保険者だった妻が離婚した場合には、主に国民年金か、わずかな厚生年金しか受け取ることができませんでした。

一方、サラリーマンである夫は厚生年金に加入し、相応の年金を受け取ることができ、不公平感がありました。

婚姻中に支払った保険料を夫婦共同で納めたものとみなして、2007(平成19)年4月以降に離婚が成立した場合について、夫婦が婚姻期間中に加入していた厚生年金の保険料納付記録合計の2分の1を上限に、多い方から少ない方に分割できるようになりました。

ただしこれには、夫婦の合意か裁判所の決定が必要です。

これを年金の「合意分割」と言います。

婚姻期間が2007年4月以前からであれば、その期間も合意分割の対象に含まれます。

さらに2008年4月以降の離婚からは、2008年4月以降の3号被保険者であった期間について、厚生年金の保険料納付記録合計の折半が可能になりました。

2008年3月末までの分については、夫婦の合意か裁判所の決定が必要ですが、2008年4月以降の分は、年金事務所への申請のみで分割されます。これを「3号分割」と言います。

年金分割の注意点

  1. 年金分割の請求手続きは、離婚した時から2年以内と決まっています。離婚手続きと同時に手続きを済ませることをおすすめします。
  2. 離婚後、別れた夫が年金受給開始になったり、現在年金受給を受けているとしても、妻は自身が年金受給年齢(65歳)に達するまで年金を受け取ることはできません。
  3. 夫がサラリーマンであったとしても、共働きで妻も働いていた場合は「3号分割」の利用はできず、離婚の場合は「合意分割」制度の適用になります。
  4. 分割を受けたからと言って、夫の年金の半分がもらえる訳ではなく、分割になるのは夫の厚生年金や旧共済年金の部分だけです。
  5. 離婚後に夫が亡くなったり、自身が再婚したとしても権利は継続し、分割された年金を受給できます。

高齢での離婚時の年金についてお話してきましたが、離婚時に夫の年金を分割しても、妻の年金は思ったほどたくさん増える訳ではありません。

高齢の方が夫との離婚を考えるのでしたら、離婚したら自身の年金がどのくらいになるのかを、あらかじめ年金事務所で確認しておくことが大切ですね。

高齢での離婚後の一人暮らしには、多くのリスクや心配が伴います。

  • 健康や病気のこと(病気になったら誰が面倒見てくれるのか)
  • 住まいのこと(高齢者は部屋を借りることも難しいのです)
  • 生活のための収入のこと(生活費や医療費などを賄いきれるのか)
  • 頼れる人がいなくなること(孤独を感じてウツになったりしないか)
  • 寝たきりになったり身体が不自由になり介護が必要になったときのこと

高齢での離婚後に生活のための年金や貯蓄は十分なのか、頼れる人がいるのか、孤独で精神的に病むようなことはないのかなど、もう一度よく考えてみましょう。

場合によっては、夫が賛同してくれれば「卒婚」という選択もあります。

卒婚とは、結婚生活を続けながらもそれぞれのやりたいことをするという結婚の形で、同居にこだわらず夫婦の絆を維持し、別々に暮らすケースもあります。

高齢になってからの離婚には、リスクが多くなるということも認識したうえで、離婚した場合の生活のシュミレーションをしてみて、どうしても離婚しかないのかをよく考えて決めてくださいね。

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