熟年離婚

「熟年離婚」のメリットやデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。

「熟年離婚」と聞くと「熟年者の離婚」だと考えがちですが、一般的には概ね20年以上の結婚生活の末にする離婚のことを「熟年離婚」といいます。

近年は、経済的に自立している女性が増え、2007年に離婚時の年金分割制度が始まったこともあり、妻にとっては老後の不安も少し解消し、熟年になってからの離婚にも抵抗感がなくなってきています。

また、男女平等の考えが根付き、妻が我慢することにも疑問を持ち、離婚に対しての世間の目も変わってきたことで、離婚のハードルが低くなったことも、熟年離婚の増加を後押ししているようです。

読んでくださっている方の中にも、熟年離婚を検討している男性や女性がいらっしゃると思います。

妻にとって、夫にとって「熟年離婚」のメリットやデメリットとは、どんなことがあるのか考えてみましょう。

<熟年離婚:妻のメリット>

  • 夫からの暴言や暴力、経済的な圧力から逃れることができる。
  • 夫の定年後も夫の世話に明け暮れることなく、自分のために自分の人生を自由に生きることができる。
  • 夫の親や親族との付き合いから解放されて、夫や夫の両親などの介護をしなくてもいい。
  • 子どもが成長しているので、子育てに時間を割いたりすることなく、新しい恋愛や再婚もできる可能性がある。
  • 離婚によって旧姓に戻ることができたり、実家のお墓に入ることも可能になる。

<熟年離婚:妻のデメリット>

  • 経済的な面で、生活が苦しくなるかもしれない。
  • 家の中で頼る人が居なくなり、寂しさで辛くなるかもしれない。
  • 子どもに心配や迷惑をかける可能性がある。
  • 孤独を感じ、病気の時や介護が必要な時など心細く不安かもしれない。
  • 歳をとっても、生活のために働かなければならない。

<熟年離婚:夫のメリット>

  • 自分が働いて得たお金を、自由に使っても文句を言われない。
  • 夜や休日なども自分の好きなように過ごせる。
  • 自由に恋愛や再婚ができる。

<熟年離婚:夫のデメリット>

  • 洗濯や掃除、炊事などの家事も自分でやらなければならない。
  • 離婚時の財産分与や年金分割によって、離婚後の生活が思ったより苦しくなる可能性がある。
  • 場合によっては、養育費は払うのに子どもと会えないということになるかもしれない。
  • 病気の時など、一人で心細い思いをするかもしれない。
  • 親戚や知人などに知られたら世間体が悪い。
  • 自身や親の介護についての不安が大きくなる。

熟年離婚によって、妻や夫にはこのようなメリットやデメリットが考えられるのですね。

メリットばかりに目を向けず、デメリットを十分把握したうえで、熟年離婚を検討することが大切です。

<熟年離婚は準備を万端に>

もし、今、あなたが熟年離婚を考えているのでしたら、できるだけじっくり準備を整え、シュミレーションしてみて、「大丈夫」と思ってから決断してください。

具体的な準備としては次のようなものがありますので、離婚を検討する際や、離婚準備をする際の参考にしてください。

①離婚後の生活費の計画を十分に練る

将来受け取る年金について、年金分割のことを調べておく(年金事務所で調べることができます)。男性は、年金分割によって将来受け取ることのできる年金(厚生年金)の額が減りますので、離婚を決める前に調べておくことをおすすめします。年金分割についてはこちらの記事も参考にしてください。

「高齢で離婚して年金は大丈夫なの?」

「離婚の財産分与にかかわる年金分割制度、私も体験しました」

②仕事に就く準備をしておく

専業主婦やパート勤務だった女性は、生活していくための収入が得られる仕事を見つけることが肝心です。生活が苦しくなって離婚を後悔するケースが多くあります。年金に頼っていても、意外に金額が少ないことに驚く人もいます。老後のために少しでも多く稼ぎ、できるだけ貯蓄をすることもおすすめします。

③やりたいことを見つけておく

離婚して、ひとりになったらやりたいことを考えておきましょう。何の目的もなく離婚してしまうと、抜け殻のようになってしまう人がいます。せっかく自由になったのですから、趣味や恋愛に時間やエネルギーを注ぐこともいいですね。

④友人との交流を深めておく

友人や知人との交流を深めることを意識しましょう。孤独感で寂しさや虚しさを感じて、離婚を悔やむケースがあります。離婚後に孤独を感じた時に話し相手になってくれる友人や知人がいることで、心強く感じることでしょう。

⑤子どもとの関係を良好に保つ

子どもがいる場合は、子どもとの関係を良好に保つようにしましょう。熟年離婚の場合、子どもが幼いということはほとんどないと思います。子どもを相手の文句や愚痴を聞いてもらう対象にしてはいけませんが、一緒に前向きな話をする相手として、いい親子関係を築いておきましょう。

⑥介護問題のことも考えておく

自身の両親の介護問題があるかもしれません。仕事しながら介護できるのか、ヘルパーを頼むのか、施設を検討しておくなどの準備も必要になるかもしれませんね。

いかがですか。

歳を重ねることで、夫も妻も病気のリスクが大きくなりますし、あちこち痛いところが出て来たり、老眼で目も見えにくくなったりするものです。

こんな時こそ、夫婦で助け合って暮らしていけるといいですよね。

「熟年離婚」のメリットやデメリットを知り、夫婦にとって熟年離婚が最善の方法なのかをよく考えて、後悔のない選択をしてくださいね。

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